CLIP STUDIO PAINT(通称クリスタ)のウォーターマーク機能は、デジタルイラストやマンガ作品を保護するための重要なツールです。ウォーターマークとは、作品に目に見える形で入れる電子透かしのことで、著作権の主張や無断転載の抑止に役立ちます。
2024年11月にTwitter(現X)の規約改正があり、ウォーターマークの重要性が改めて注目されました。特に近年では、AIによる不正な学習からイラストを守るためにも、適切なウォーターマークの使用が推奨されています。
ウォーターマークの主な目的は以下の通りです。
効果的なウォーターマークは、作品の視認性を大きく損なわずに、かつ簡単に除去できないよう設計することが重要です。クリスタでは、こうしたウォーターマークを簡単に作成・設定できる機能が提供されています。
クリスタでウォーターマークを設定する方法はいくつかありますが、最も一般的な方法は書き出し時に追加する方法です。以下に具体的な手順を説明します。
1. 単一画像へのウォーターマーク追加
2. 複数ページへの一括ウォーターマーク設定(EX版のみ)
CLIP STUDIO PAINT EX Ver.4.0以降では、マンガや冊子などの複数ページに一括でウォーターマークを追加できます。
これらの設定はアプリに保存されるため、次回以降も同じ設定が適用されます。必要に応じて調整しましょう。
配布されているウォーターマークをそのまま使用するのではなく、オリジナルのウォーターマークを作成することをおすすめします。配布されているものは除去が容易な場合があるためです。以下に自作ウォーターマークの作成手順とデザインのコツを紹介します。
ウォーターマークに入れる文言の選定
効果的なウォーターマークには、以下のような情報を含めると良いでしょう。
デザイン作成の手順
効果的なデザインのコツ
完成したウォーターマークは、素材として登録しておくと便利です。レイヤーメニューから[表示レイヤーのコピーを結合]を選択し、[編集]→[素材登録]→[画像]で登録しましょう。
ウォーターマークを作成したら、次は効果的な配置と透明度の設定が重要です。ただ画像に重ねるだけでなく、戦略的に配置することで保護効果を高めることができます。
効果的な配置場所
ウォーターマークは以下のような場所に配置すると効果的です。
特に人物の顔付近にウォーターマークを配置すると、顔部分を使いたい場合に除去が困難になるため効果的です。SNSのサムネイルでは顔にマークを被せ、ポートフォリオでは除去したものを公開するという使い分けも有効です。
透明度と合成モードの調整
ウォーターマークの透明度と合成モードは、作品の視認性とウォーターマークの保護効果のバランスを取るために重要です。
また、ウォーターマークのレイヤー効果を複雑にすることで、除去を困難にする工夫も有効です。例えば、エンボス効果や光彩効果を加えると、単純な画像処理では除去しにくくなります。
近年、AIによる画像生成技術の発展に伴い、クリエイターの作品がAIの学習データとして無断で使用されるケースが増えています。そのため、ウォーターマークはAI学習対策としても重要性を増しています。
AI学習を妨げるウォーターマーク技術
最新のウォーターマーク技術では、人間には目立たないがAIには認識されやすい特殊なパターンを埋め込むことができます。クリスタでも以下のような対策が可能です。
特に「ノイズパターン」機能は、クリスタの書き出し設定でウォーターマークと併用できる機能で、画像全体に微細なノイズを追加することができます。このノイズはAIの学習を妨げる効果があります。
最新の対策トレンド
2025年現在、クリエイター間では以下のような対策が広まっています。
これらの対策を組み合わせることで、より強固な作品保護が可能になります。ただし、完全な保護は難しいため、定期的に最新の対策情報をチェックすることをおすすめします。
クリスタ公式サイトの「自作ウォーターマークを適切に入れて、大切なイラストを守ろう」では、より詳細なウォーターマーク作成のコツが紹介されています
ウォーターマークは作品保護に有効ですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。また、効果的な使用例を知ることで、より適切に活用できるようになります。
ウォーターマーク使用の注意点
効果的な使用例
以下に、クリエイターが実際に行っている効果的なウォーターマーク使用例を紹介します。
イラストを切手風のデザインにすることで、消印風のウォーターマークが自然に見える工夫をしているクリエイターもいます。
頻繁に作品を公開するクリエイターは、ウォーターマーク設定をオートアクションとして登録し、効率的に適用しています。
これらの方法を参考に、自分の作品スタイルや公開方法に合わせたウォーターマーク戦略を構築しましょう。完璧な保護方法はありませんが、複数の対策を組み合わせることで、無断使用のリスクを大幅に減らすことができます。
クリスタ公式の「ウォーターマークを公開作品の保護に使用する」では、複数ページへのウォーターマーク一括設定方法が詳しく解説されています